《コーヒーショップで電話をしたらいけないのは、電話の向こうにいる幽霊のことをみんながこわがっているから》

2015 / 映像(4min15sec) / 映像、切り貼りされた音声

 PC越しに通話をしている後ろ姿。なにげない雑談をしているように見えるが、よく聞くと、相槌や断片的な返答が並んでいるだけで、会話の内容はつかめない。

 しばらくすると、映っている人物の声はそのままで、通話相手の声だけが別の声に変わる。相手が変わっても、映っている人物はそのまま話し続け、会話は続いているように見える。通話相手の声は何度か別の声に変わり、最後には、画面に映っている人物と同じ声になる。話者の識別が困難になっていく。

通話相手(a) :ハハハ、寝てる間に?
:うん~
通話相手(a) :起きないで?
:アハハハ、見たい~
通話相手(a) :顎狙うの悪趣味でしょ
通話相手(a) :そう、なんていうか髪型で判断されちゃう
:ハハハハ!
通話相手(a) :あーダメじゃん、と思って
:やー、良いっすよそういうの
:フフッ
通話相手(a) :なってたけどー、今は分かんないなー
通話相手(a) :何フェチなんだろう?
:うーん
通話相手(b) :こんな感じ
:専攻科な~
通話相手(b) :すっごい、あの、サーモンを多めに頼んでもらった日で、
通話相手(b) :ふぉ~!ってはしゃいでたら、
:うん
通話相手(b) :それでもう、もういらない…みたいな
:今心の支えはなんなの?

音声書き起こし(一部抜粋)